天使族(ニグラギオン)

銀河の向こう側にある星、「ニグラギア」で暮らす種族。 ここに生きる住人たちが自分たちを示す際の呼び名が「ニグラギオン」である。 人間よりはるかに高い文明を持ち、次元すら超える手段を持っている。 知的探究心が強く、ほとんどが研究好き。 高い身体能力・飛行能力を持つものの、全体の数はかなり少ない。 清潔で汚れや病気に敏感。 自分達の技術に自信がありプライドが高い。個体差はあるが大抵他の種族を「野蛮で愚か」と見下している。 平均寿命は600年ほど。

元は悪魔と同じ種族であったが、この祖先が星へ残ったのがニグラギオン。 他の星へ渡る際に次元を越えて魔力を取り込み、魔術的存在へと変化したものが現在の悪魔。 それゆえ一見正反対に見えても性質には似たところも多い。 人間に擬態した時の姿は人間的な感性で見るととても美しい。それに加えて翼と光の輪のような器官を持つため、信仰心の篤いファンタジー世界でニグラギオンは人間に「天使族」あるいは「神」と呼ばれている。

ニグラギア

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銀河の果てにある星のひとつ。 あまり住みやすい星ではなく、住人たちは限られた場所に都市を作り集まって暮らしている。 食料以外の資源は豊富。

居住地以外の場所、特に地表は汚染されており病原菌が蔓延している。 比較的近代に接近してきた隣の星からは、時々未知の外敵(怪物)がやってきてニグラギアの生き物を襲う。

ニグラギオンの社会

かつての優秀だったニグラギオンたちの思考パターンを組み込んだAIを「王」のようなものとして扱っている。 徹底的な優生思想のもと、能力的に優れた個体のみを生かす社会。 弱い個体や社会に適応できない個体は早い段階で処分する、量より質の方針。 ほとんどの事は社会の利益になるかどうかで判断・評価される。 能力や社会貢献度によって決められた階級はあるが、それは「他のニグラギオンに対する命令権」ではなく「備品や資材を優先的に使える権利を得る」というところが大きい。 単純労働のほとんどをロボットに任せ、住人たちは主に研究や居住地の開発をしている。 幼い頃からの教育と感情抑制により、住人たちは社会と種族のため生きることにストレスや疑問を感じない。 そのため娯楽と呼ばれるようなものは存在せず、労働(研究)と休息を繰り返す生活を送る。 社会を乱すと判断された者はまず精神異常・薬の拒否反応・埋め込んだ機械の異常のどれかを疑われ、病院へ送られる。 そこで適切な処置を受け、社会に復帰する事もあるがほとんどはそのまま処分されることが多い。

社会のシステム

◆感情抑制

元々ニグラギオンたちは感情豊かで自由奔放、同族間の争いも絶えなかった。 外敵の増加と共にニグラギオンは大きく数を減らし、種族存続のため協力しあう必要が出てきたものの本来の性質的にそれはかなり難しい。 そのため考案された方法が「感情の抑制」であり、ごく一部の比較的穏やかな者たちが集まって研究を始めた。 完全に感情を無くすのではなく、一定以上の強い感情を抑えることによって常に合理的な行動を取れるようになる。

現在は全ての住人に感情抑制が施され、平和な社会を築いている。 年月が経つにつれ「脳の手術」「体内への制御装置埋め込み」「薬」…とその方法は変化してきており、どれを使っているかは世代や体質により違う。 装置埋め込みは定期的なメンテナンスを必要とする。 薬は飲み続けなければ抑制が解けていく。 住人たちはいずれも本来の感情のコントロールを身に着けず成長してきているため、何らかの要因で抑制が解けかけると激しく動揺したり暴走したりしてしまう。 感情抑制を受けて育った者が後から突然抑制を解かれた場合、そのほとんどが急激な感情の動きに耐えられず人格に異常をきたす。

◆生殖関係

人工授精とポッドで次世代を作るシステム。 感情抑制の影響で、友人・仕事のパートナーとしての好意はあれど恋愛という概念が存在しない。 ある程度の功績を残し、お互いに能力を認め合ったペアが申請→許可が下りれば専用施設で次世代を作るといった形。 生まれた子供たちは保育施設に移され、共同で育てられるため親子の関係は薄い。 生殖機能はまだ退化せず体に備わっており生理的な欲求も存在するが、それが他者に向くことはなく、排泄と同じように自分で処理する。 住人たちが自分の腹から卵を産むことはない。(卵生) 一般的に生殖行動に伴う触れ合い・行為は試してみようという考えだけでも「不潔で変態」という価値観。 (人間で言うと過激な特殊性癖プレイに対する感覚に近い感じ)

◆食事

食事は基本的に働いている施設から、その仕事の運動量などに合わせて必要な栄養素が固められたものが支給される。 見た目はクッキータイプのカロリーバーか四角いゼリーのどちらか。体調により、それらに加えて錠剤型のサプリメントを使用する。 原料は専用施設で養殖しているエビに似た陸上で暮らす生物。味は薄く、人間の味覚で言うと淡白であまりおいしくない。 逆に他の種族、特に人間の食事はニグラギオンにとって量が多く味付けが濃い。 栄養素も偏ってしまうので他の星に行く場合は栄養食を持っていくのが普通。

◆睡眠

ニグラギアでの一日は地球より長く、人間式に生活リズムを当てはめると五日半寝ずに活動→一日半ずっと眠るという配分。 ベッドは多少角度のついた縦型のカプセルのような形。中の者はほぼ直立した姿勢で眠る。

◆接触について

病原菌の感染を避けるため、ニグラギオンは無闇に他人に触れたがらない。 スキンシップはごく親しい者同士が触手を触れ合わせる程度。(人間で例えると手を引くようなイメージ) 稀に触角(光の輪)を触れ合わせることもある。

◆感覚共有

ニグラギオン同士で頭上の触角(光の輪)を触れ合わせることで、相手の感じている感覚や感情を一部共有することができる。 伝わるべきでないものも意思に関係なく伝わってしまうので、本当に信頼できる相手としかしない行為。 信頼と親愛を示す行為として、ごく稀に人目のない場所で行われることがある。 もしくは度を越した痛みや恐怖でパニック状態に陥ったニグラギオンを正気に戻す目的でも行われる。(感情抑制の効果があるため、正気を失うほど動揺することはほとんどない) この場合は正気に戻す側の精神がパニックになっている側に引きずられないほど強く落ち着いていなければ危険。